傑作実写アドベンチャー『Immortalitiy』、PS5向けにリリース

本日、1月23日『Her Story』、『Telling Lies』を世にお送り出したサム・バーロウさんの新作実写アドベンチャー『Immortalitiy』がPlayStation5向けにリリースされました。

Game Beat では、2022年のインディーゲームランキングで2位に選出している傑作の一つです。プレイヤーは、伝説的な映画女優マリッサ・マルセルが出演した『アンブロシオ』(1968)、『ミンスキー』(1972)、『Two of Everything』(1999)の3つの映画作品をヒントにマリッサが失踪を遂げた理由を探求していく、ゲームプレイになっています。

『アンブロシオ』(1968)、『ミンスキー』(1972)、『Two of Everything』(1999)

ゲームシステムは極めて直感的で、カットごとに分断されたフィルムから、映像に映るオブジェクトをクリックすることで、別の映像や作品にジャンプしていくというものです。やや分かりづらいですが、例えば『アンブロシオ』に映るマリッサをクリックすると、他作品に映るマリッサにランダムで遷移していく、ということです。

 アドベンチャーゲームの視点では、カットシーンを遷移していくメカニクスそれ自体には新規性を感じることは無いですが、60年代末から世紀の変わり目に映したとされる架空の映画たちは、ハリウッドが内包する暴力性・女性像の変遷を切り取ったムービーとしても見応えがあります。

特に、『アンブロシオ』ではイングマール・ベルイマン、続く『ミンスキー』ではヴィム・ヴェンダース、『Two of Everything』では、デビット・リンチやポール・トーマス・アンダーソンなど数々の優れた作品にオマージュを捧げる映像と、その演出意図をプレイヤーが解明していく体験は驚くべきチャレンジ精神に溢れています。

 キャラクターの実存の証明をプレイヤーが行う、というプロット自体はゲームにとってはありきたりではあります。ですが、そのゲーム的な「物語・プロット」を実写映像を介し、映画史とリンクさせることで、証明していく手腕は驚嘆に値します。ぜひ、多くのゲームファン・映画ファンに遊んでいただきたい名作です。

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