このミステリーゲームが凄い!オススメミステリーアドベンチャー 5選

  おはようございます。いちごうです。

 今回は、Nintendo Switchで遊べる名作ミステリーアドベンチャーを紹介していきます。サイトでも何度か紹介していますが、個人的にいわゆるテキストアドベンチャーやミステリーゲームは大好きなゲームジャンルの一つです。聞き込みやヒントをもとに推理を深める作品、ゲームならではの手法でプレイヤーの知的好奇心を刺激するタイトルなど、これまでもアドベンチャーゲームから受けた衝撃は計り知れません。

 そんなわけで、今回は数あるアドベンチャーゲームのジャンルの中でも、Switchで遊べるミステリーや謎解き・メタミステリーアドベンチャーに絞って名作タイトルを紹介していきます。

目次

バディミッション BOND

 まずは、任天堂から発売されたミステリーアドベンチャーの名作『バディミッションBOND』です。熱い主人公、キャラクター同士のコミカルな会話劇、二転三転するシリアスなストーリー展開など、アドベンチャーゲームに慣れていないユーザーに間違いなくオススメな一作です。特に、テキストを読み込むノベルゲームは苦手意識がある方もいると思いますが、今作ではノベルゲームと3Dアドベンチャーとが掛け合わされていたりと、誰もが熱中できる仕掛けがいくつも施されています。

 また、何より素晴らしいのは『アイシールド21』や『ワンパンマン』の作画で知られる村田雄介(むらた ゆうすけ)さんが手掛けるキャラクターの魅力と、メインキャラクター4人を中心に展開する物語の面白さです。  

 ゲームの舞台は世界的なショービジネスの中心地ミカグラ島(じま)。ミカグラ島にはDISCARDと呼ばれる犯罪組織が暗躍しており、組織に狙われたが最後、首筋に“死の刻印”を刻まれ自我を失い狂暴化してしまう、と云われています。プレイヤーは、DISCARDの謎を暴くため、一癖も二癖もあるワケあり四人組で結成される潜入チーム「BOND」のメンバーとして、組織の真実を追求していきます。

 ゲームプレイはノベルパートを中心にしつつ、プレイヤーが能動的にゲームに参加できる「捜査パート」・「潜入パート」が用意されています。ミッションを開始し、ノベルパートを経た後は、プレイヤー自身が2Dマップ上で行先を選択して聞き込みを繰り返す「捜査パート」と、実際に3Dキャラクターを動かしながら、敵地に潜入していく「潜入パート」へと展開していきます。「捜査パート」・「潜入パート」ともに、簡単な作業の繰り返しではありますが、ゲームのメリハリを生んでおり飽きずにプレイできます。

 また、物語は4人のコメディタッチの雰囲気とは裏腹に、後半以降はハードでシリアスな展開が連続していきます。「BOND=絆」というありふれたテーマではありますが、人との繋がりを持つことが不得意な4人が偶然に出会い、互いを救い救われる、という真っ直ぐなシナリオは多くのユーザーにとって感動できると思います。また、熱いメインミッション以外にも、キャラクターの掘り上げ中心のサイドストーリーも充実していますので、キャラクターゲームとしても文句なしの名作と言えます。発売当初のセールスは芳しくなかったのですが、発売から時間を経てもなおイベントが開催されるなど、多くのコアファンに愛されている作品です。

ライフイズストレンジ トゥルー カラーズ

 続いては『ライフイズストレンジ』シリーズの最新作『ライフイズストレンジ トゥルー カラーズ』です。シリーズを遊んだことがあるユーザーからすると、『ライフイズストレンジ』がミステリー?と疑問に思うかもしれません。実際、これまでの作品を振り返ると「時を駆けるSF」・「儚い恋愛」・「移民をテーマにする社会派ドラマ」など、さまざまなアプローチが試されてきていますが、最新作が次なるテーマとして選択したのは「超能力×ミステリー」です。

 物語は、孤児として育った主人公・アレックスが、生き別れの兄の誘いでコロラド州の山奥に位置するヘイブン・スプリングスにやってくるところから始まります。ゲームの序盤は、理想的な田舎街に思えるこの街で、バイトをしたりとスローテンポに進行していきます。もちろん、『ライフ イズ ストレンジ』シリーズですので、ずっと田舎町でのスローライフという訳にはいきません。

 公式サイトにも記載されている出来事なので紹介しますが、やっと街での生活に慣れてきた一章の終わり際に、兄・ゲイブが鉱山の事故で亡くなってしまうのです。最愛にして、唯一の家族であるゲイブを失ったアレックスは悲しみに打ちひしがれつつも当時の状況を聞いてまわります。町民の証言によると事故に「街を牛耳る大企業が関わっているのではないか?」という疑念が浮かび上がります。

 スローテンポな導入、悲劇の一幕から雰囲気が変わり、ゲームは、兄の死の真相を突き止めるため、大企業に対して反旗を翻す「ミステリー」仕立てのシナリオへと変貌します。ゲームでは、相手の心を読み解くアレックスの能力を用いて、「なぜ兄は死ななければならなかったのか」そして「大企業は何を隠しているのか?」という街全体の秘密を暴いていくことになります。

 詳しくはレビューでも紹介していますが、従来のシリーズを愛するユーザーにとって、ミステリー要素の強い展開は拍子抜けに思えるかもしれません。ですが、わかりやすい物語を選んだからこそ、より鋭利な現実と、一人の人間が未来を見据える物語、という『ライフ イズ ストレンジ』本来の魅力が浮かび上がったように思います。ユーザーごとに評価は分かれると思いますが、多くのミステリーアドベンチャーファンに遊んでいただきたい一作です。

春ゆきてレトロチカ

 続いては、スクウェア・エニックスからリリースされた「実写×アドベンチャー」の新作『春ゆきてレトロチカ』です。そもそも「実写×アドベンチャー」ってどんな作品?と思った方は以前投稿した今作のレビューで詳しく紹介していますので、ぜひそちらを見ていただければと思います。簡単にいうと、シナリオが実写の写真や映像で進行していくアドベンチャーゲームで、これまでも『428 〜封鎖された渋谷で〜』や『ユーラシアエクスプレス殺人事件』などの名作が発売されています。また、近年ではトゥーキョーゲームスの『DEATH COME TRUE』や海外で高い人気評価を得ている『IMMORTALITY』(イモータリティ)など、少しずつ盛り上がってきているジャンルだったりします。

 『春ゆきてレトロチカ』では、2022年の現代・50年前の1972年・100年前の1922年の3つの時代を舞台に、ある名家(めいか)に伝わる“不老の果実”に関する秘密を解き明かしていくストーリーとなっています。ゲームの主人公はミステリ作家の河々見(かがみ)はるか。はるかは、ある時、小説の科学考証を担当している科学者・四十間永司(しじまえいじ)から、ひとつの依頼を受けます。その依頼こそ、ゲームのテーマにもなっている四十間家に眠ると言われる“不老の果実”の捜索です。

 『春ゆきてレトロチカ』では、四十間家が長年隠してきた“不老の真実”を解き明かすため、3つの時代を交差し四十間の人間が関わる事件を追体験しながら、不老の謎に迫っていきます。また、ゲームでは映像を見るだけではなく、簡単なパズルの要領で事件の謎を解いていく直感的な推理モードも用意されており、能動的に正解にたどり着くことが求められます。

 一部、操作しづらい部分もありますが、「実写×アドベンチャー」という鋭利なジャンルで挑戦すること自体が素晴らしいと思いますし、過去のアドベンチャーゲームの方法論を駆使しつつ、新しい結末を導く手腕は見事の一言です。『428 〜封鎖された渋谷で〜』のシナリオディレクターが手がける新作アドベンチャー、実写でなければ完成し得ないトリック、怒涛の伏線回収、これらのキーワードに少しでも興味が湧けばぜひ遊んでみることをお勧めします。

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

 続いては、今回紹介しているタイトルの中でも最も有名なアドベンチャーゲーム『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』です。今でこそ、『ダンガンロンパ』はもちろん、シナリオを手がける小高和剛(こだか かずたか)の知名度は世界中のゲームファンに広まっています。けれど、シリーズ一作目が2010年、PSPで発売された当初は、初週売り上げは32,000本と絶妙なスタートでした。ですが、シナリオの類い稀な完成度の高さ、キャッチーでありながら狂気的なキャラクターの魅力など、口コミが口コミを呼び、『ダンガンロンパ』は人気シリーズへと成長していきます。以降、シリーズ化・アニメ化・小説化・舞台化など数々様々の派生作品が生み出されています。

 シリーズ一作目の物語は、全国各地から集められた超一流の才能を持つ高校生15人が、「モノクマ」と名乗るクマのぬいぐるみによって学園施設に閉じ込められるところから始まります。しかもモノクマは、施設に集められた高校生に対して「学園の中で一生暮らし続けること、外に出たければ誰か他の生徒を殺さなければならない」という、あまりに過酷なデスゲームを課してくるのです。プレイヤーは、超高校級の「幸運」の持ち主・苗木誠として、実際に続々と発生する高校生同士の殺人事件を「学級裁判」で解決していくことになります。

 また、ゲームは証言や証拠を集めるオーソドックスな「捜査パート」と、容疑者との論戦を繰り広げる「学級裁判パート」で構成されています。特に「学級裁判パート」では「捜査パート」で得た手がかりをもとに、会話の欠点に気づき矛盾を突きつけていく、というスリリングなアクションのような緊張感を味わえます。

 ミステリーゲームならではの「気づき」と、その「気づき」すらも小高さんの手のひらで操作されているような、予測困難などんでん返しなど、伏線と伏線とが交差しながら展開していくシナリオは、2010年代を代表するアドベンチャーゲームのひとつです。Switchでは、今回紹介している第1作『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』はもちろん、ナンバリング3作品がプレイ可能な『ダンガンロンパ トリロジーパック』が発売されていますので、デスゲームの代名詞ともいうべき傑作を体験していただきたいです。

AI:ソムニウムファイル 

 最後は、個人的に現在Switchで遊べるミステリーアドベンチャーとしては、最も気に入っている『AI:ソムニウムファイル』です。アドベンチャーゲームは数あるゲームジャンルの中でも、とりわけ作家性が表れやすいジャンルだと思います。例えば、「ダンガンロンパ」や「春ゆきてレトロチカ」も、それぞれ小高和剛(こだか かずたか)さん、伊東幸一郎さんのシナリオライターとしての作家性が抜群に発揮された名作です。

 作品のテーマや会話劇・文章の筆致など、そのクリエイターでなければ生み出せない「世界観」を感じさせることこそが、アドベンチャーゲームの面白さと言えるかもしれません。そして、個人的に最も好きな「世界観」を紡ぐ存在こそ、『AI:ソムニウムファイル』シリーズを手がける打越鋼太郎さんです。打越さんは、これまで『Ever17』や『極限脱出』シリーズを手がけているクリエイターで、ゲームという媒体ならではの斬新なシナリオで世界中のアドベンチャーゲームファンを驚かさせてきました。

 そんな打越さんの作品の中でも、『AI:ソムニウムファイル』シリーズは本当にベスト級に素晴らしい作品です。詳しい紹介は、一作目・二作目共にレビュー動画を投稿しているので、そちらで確認いただきたいのですが、純度の高いミステリー・SF・パロディ・陰謀論で構築された緻密なシナリオ。点と点のエピソードが繋がりあう怒涛の伏線回収。完膚なきまでに打越さんに叩きのめされたような読後感と充実感。まさに、アドベンチャーゲームの真骨頂のような作品です。

 ゲームの舞台は、現代より少し科学技術が進歩した近未来の日本。主人公の伊達鍵(だてかなめ)は、人工知能を搭載した義眼の「アイボゥ」と、対象の夢に進入可能な「Psync装置」を駆使し、連続殺人事件の謎を探っていくことになります。また、ゲームは「アイボゥ」の力を借り事件の手がかりを見つけるポイント&クリックの「捜査パート」と、対象の夢の中でパズル型の謎解きを進行していく「ソムニウムパート」の2つで構成されます。正直、一作目は「ソムニウムパート」の謎解きが煩雑なため、苦労すると思いますが、ぜひ耐え抜き2作とも遊んでいただきたいです。

 メタフィクション・サスペンス・ラブストーリーなど多様に変化していくマルチエンディングの中で、全ての真相が明らかになっていく疾走感。そして、深淵なテーマの魅力は打越さんならではの筆致です。ぜひ、現代のアドベンチャーゲームとして多くのゲームファンにプレイしていただきたいです。

 いかがでしたでしょうか。
 もちろん、まだまだ名作ミステリーアドベンチャーはあります。自分で選んでおきつつ、アレがよかったかな〜と動画を作り終わった後も、タイトルリストと睨めっこをしています。とはいえ、アドベンチャーゲームのまるっきり初心者でも遊べる作品や、いわゆる日本のアドベンチャーゲームとは毛色の異なるタイトル、バチボコのゼロ年代のオタク向けの傑作など、なかなか魅力的な選出になったんじゃないかなと思います。
 まだ第一弾ですので、好評であれば第二弾のおすすめミステリーアドベンチャーやオススメノベルゲームも紹介していきますので、ぜひコメントいただければ幸いです。

 

 

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