全部知ってる?3DSの隠れた名作10選

 ニンテンドー3DSも今年で発売されてから11年を迎えようとしています。ニンテンドーDSの発売から18年経っていることも驚きですが、個人的には3DSが11年目の方が驚愕です。3DSは2011年に発売されてから約650本以上のタイトルが発売されてきました。

以前、このサイトでは「3DSの名作10選」と題して、3DSを持っている方なら是非ともプレイしてほしいタイトルをご紹介致しました。今回はもう少しマイナーかつ癖のあるタイトルを選出いたしました。ぜひ、最後までお楽しみください。

目次

Miitopia (任天堂/2016年12月8日)

 まずは2016年に任天堂から発売された『Miitopia』です。今作は、名前からも想像できるように、2006年Wiiから始まり、現在でもSwitchのアバターとして使用可能なMiiを題材としたゲームです。といっても、Miiを用いたゲームでよくある複数人で遊ぶゲームではなく、Miiを主人公にしたRPGタイトルでジャンルは、みまもりシミュレーションとなっています。

 ゲーム自体は、国内で大々的に宣伝されたのですが、なかなか振るわず国内では約20万本程度に留まりました。Miiを使ったコンテンツとして『トモダチコレクション』シリーズが2作品で世界累計1000万本を超えるセールスを記録したことを考えると、かなり寂しい結果と言えます。売れなかったし、評判もあんまり聞かないとなると、ゲームが面白くなかったんじゃないの?とお思いかも知れません。ですが、そこは天下の任天堂です。侮ってはいけません。めちゃくちゃおもしろいです。

 『トモダチコレクション』は、自分や家族・友人のMiiや好きな芸能人のMiiを同居させるMii版のリアリティショーごっこのような魅力がありました。『Miitopia』では、これらの予測できない、と言うより突拍子もない人間模様がRPGのパーティ内で繰り広げられます。戦闘中や宿屋といった場所で、本筋のストーリーそっちのけでざっくばらんな人間ドラマが描かれます。このMiiが描くドラマとRPGがうまく噛み合っており、小規模な旅行をしているような不思議な感覚を得られます。往年のRPGが好きな人はもちろん、あまりRPG作品をプレイしないという方にこそ触れてほしい3DSを代表する任天堂の隠れた名作タイトルです。

レゴシティアンダーカバー チェイスビギンズ (任天堂/2015年3月5日

 この世界の法律は俺だと言わんばかりに、街中のレゴブロックをぶっ壊しながら、様々な事件を解決していきましょう。今作『レゴシティアンダーカバー チェイスビギンズ』は2013年に発売されたWii U版『レゴシティ』の前日譚を描いたアクションアドベンチャーゲームです。

 WiiUと比べるとレゴシティの大きさは少し縮小されてはいますが、多くのレゴたちが行き交うギミックの細かな街並みは3DSのハードスペックが存分に発揮されています。オープンワールドで表現された都市、レゴシティは街のすべてがレゴブロックで作られており、なんともワクワクする世界です。プレイヤーは、レゴシティの新米警察官、チェイス・マケインとして、事件解決を目指します。レゴブロックをぶっ壊したり、様々な姿に変装したりと、ゲームシステム的なユニークさに負けないほど、ストーリーもブラック・ユーモアに溢れたぶっ飛んだものとなっており、ゲームを終える頃にはチェイス・マケインの異常さの虜になっていること間違いなしです。

 また、Wii U版の『レゴシティアンダーカバー』はワーナー・ブラザースによる移植版がSwitchやPS4でも発売されています。ハード、ソフト共に不遇であったWiiUユーザーにとって、『レゴシティ・アンダーカバー』はまさに救世主のようなタイトルだったと、個人的にも感じています。今作が気になった方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

ザ・デッドヒートブレイカーズ (任天堂/2018年4月26日

 続いては2018年に発売された『ザ・デッドヒートブレイカーズ』です。本作は、2012年に3DSのダウンロードタイトルとして配信された『ザ・ローリング・ウエスタン』とその続編『ザ・ローリング・ウエスタン 最後の用心棒』につづくシリーズとして登場しました。 

3作品も発売していながら非常に隠れたゲームであり、そもそも3DSの後期の2018年に発売されたこともあり、かなり知名度が低いタイトルだと思います。ですが、その独自性の高いゲーム性や、癖の強いキャラクターは一見の価値ありです。

 物語は主人公のアルマジロ、ジローと自身の分身となるケモだちを操作し、近未来の荒野での戦いが描かれます。ゲームシステムは、敵を倒していくタワーディフェンスにアクション要素が組み合わさっており、高い戦略性と爽快なアクションやモンスターとの発熱のレースバトルを楽しむことができます。拠点となるシティでの様々な人々との出会いや、資金調達のバイトやスポットなど、やりこみ要素も非常に充実しており、3DSの後期の名作として多くの人にプレイしていただきたいです。

 ちなみに開発を手がけるのは、個人的に最も好きなゲームのひとつ「moon」を手がけたのち、『エンドネシア』や『もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド』を開発したバンプールという会社です。ぜひバンプール節をたくさんの人に味わっていただきたいです。

エクストルーパーズ (カプコン/2012年11月22日

 トゥーンレンダリングで表現されたアニメ調のグラフィック、擬音が飛び交い漫画のコマ割りのような集中線だらけのカットシーン。何より、このアニメ・漫画らしさを強調する王道かつ熱い物語。2012年にカプコンから発売された『エクストルーパーズ』は、誰でも楽しめるカジュアルなTPS作品として非常に意欲的なタイトルです。

 プレイヤーは熱血主人公ブレンを操作し、アカデミーの仲間と共に成長し、様々な敵と対峙していきます。ストーリーは、王道のSF学園モノであり、脚本は『交響詩篇こうきょうしへんエウレカセブン』の脚本として知られる佐藤大氏が手掛けており、魅力的なキャラクターや世界観を活かした物語やを体験することができます。

 ゲームはTPSの入門的な作品となっており、中距離の射撃から加速で一気に距離を詰め敵を蹴り上げるような爽快感抜群なプレイを簡単操作で行えます。パーツのカスタマイズも多彩で素材を集めたりと、やりこみ要素も充実しています。本作及び世界観を共通とする『ロスト プラネット』シリーズの両方が2020年現在完全に凍結状態ではありますが、Switchや次世代ハードでの復活を心待ちにしています。

Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼 (任天堂/2017年7月13日

 『Ever Oasis 精霊とタネビトのミラージュ』は2017年に任天堂から発売されたタイトルです。企画、開発は元スクウェアエニックスの石井浩一氏が設立したグレッゾが行っています。石井氏は、『聖剣伝説』やFFシリーズでお馴染みのチョコボの生みの親としても知られています。そんなグレッゾが手がけた「Ever Oasisは、エジプトをモチーフとしたファンタジー作品で、『聖剣伝説』に近い俯瞰視点を採用したアクションアドベンチャーRPGとなっています。

 プレイヤーは拠点であるオアシスの長となり、水の精霊イスナと共にオアシスを発展させるため、険しく広大な砂漠を冒険していきます。バトルシステムは3人パーティ性となっており、攻撃と回避を中心とする簡単なボタン操作で強敵に立ち向かっていきます。モンスターのタイプによって仲間を切り替える戦略性や、フィールドで手に入れた素材で拠点のオアシスが強化され、より冒険を有利にすすめることができるなど、可愛らしいビジュアルとは対象的に非常に硬派な作品で遊びごたえのある一作に仕上がっています。

 2017年の3月にSwitchが発売されたこともあり、2017年以降の3DSのタイトルはあまりひと目に触れることが少ない傾向にありますが、往年の『聖剣伝説』シリーズや、コツコツと作業を行っていくゲームが好きな方にはぜひ一度プレイしていただきたいです。

Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン (任天堂/2015年5月14日

 続いては『Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン』。少々、ふざけたタイトルとビジュアルに肩透かしを食らってしまったかも知れません。知名度は低いですが、今作は『ファイアーエムブレム』シリーズで知られるインテリジェントシステムズが手掛ける非常に硬派なシミュレーションゲームとなっています。

 プレイヤーはリンカーン大統領が選抜した精鋭舞台、スチームとして、突如現れたエイリアンに立ち向かっていきます。スチームのメンバーも非常にユニークで、『オズの魔法使い』のライオンや、19世紀の英雄として知られるジョン・ヘンリーなど、小説や伝承のヒーローが登場します。はっきり言ってめちゃめちゃ荒唐無稽なストーリーですが、ゲームシステムは一転硬派な作りとなっています。

 システムは、ターン制のシミュレーションゲームとなりますが、『ファイアーエムブレム』シリーズとは異なり、自身のターンではフィールドを自由に移動し、シューティングゲームのようにTPSで敵を狙い攻撃していきます。プレイフィールとしては『戦場のヴァルキュリア』シリーズのBLiTZシステムに近いシステムとなっています。また、巨大兵器による白熱した戦闘も用意されており、アメリカンコミックや特撮が好きな人など、多くの人に体験してもらいたいです。正直、想像以上に難易度も高く戦略性が求められる戦闘の数々は思わず唸ってしまうかも知れません。最近の『ファイアーエムブレム』はヌルいなんて思っている人にもオススメです。

リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産 (セガ/2012年1月19日

 次は、2012年にセガから発売された『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』です。フランスはパリを舞台に、美術品を盗み出し数日後に返却する華麗な怪盗「怪盗R」として、盗みを繰り返しながら、失踪した父親の真相を探っていきます。

 ゲームはリズムアクションとアドベンチャーとが合わさっており、一般的なクリックアンドポイント形式のアドベンチャーパートと、ルーブル美術館への潜入や、敵との戦闘がリズムゲームで体験できる怪盗パートに分けられています。3DS初期の作品であり、タッチパネルやジャイロセンサー、ボタン操作まで3DSだからこそ味わえる体験の数々は、飽きることなくプレイできると思います。わかりやすく誰でも楽しめる謎解き風の物語、ゲーム中に挿入されるアニメーションなどから、発売当初は『レイトン教授』シリーズと比較されがちであり、少々ネガティブなイメージもあるタイトルですが、オリジナリティ溢れる素晴らしい作品に仕上がっています。セガの往年のリズムゲームの楽曲も収録されていますので、セガファンも見逃せない隠れた名作タイトルです。

なげなわアクション!ぐるぐる!ちびロボ! (任天堂/2015年10月8日

 「ちびロボ」と聞いて真っ先に今作を思い浮かべる方は非常に少ないと思います。実際、私自身も他のシリーズ作品への思い入れのほうが強かったりします。「ちびロボ」は2005年にゲームキューブで第1作が発売され、DSで2タイトル、3DSのダウンロードで1タイトル発売されるなど、任天堂のIPとして10年以上愛される隠れた人気キャラクターです。

 これまでのちびロボは一部を除き、アドベンチャーゲームであり、プレイヤーはお手伝いロボットとして人々の問題を解決してきました。『なげなわアクション!ぐるぐる!ちびロボ!』はシリーズ初となる横スクロールアクションとして登場し、シリーズファンの間で非常に賛否が別れたタイトルです。実際、これまでのエモーショナルなプレイフィールとは大きく異なるものではあります。

 とはいえ、ちびロボのお尻についたヒップラグを使ったかぎ爪のようなアクションや、世界中を舞台にした多様なフィールドは、また違った魅力に満ちています。特に、ステージに隠された100種類以上のお菓子の数々は、実在するお菓子メーカーが参加しており、コアラのマーチやミルキー、たべっ子どうぶつなど、それらを探す体験はちょっぴりエモくて気に入っています。ちなみに当時同時発売されたちびロボのamiiboは非常に良くできており、amiiboが発売されただけでも本作は十分に価値があったと思っています。

GUILD01 (レベルファイブ/2012年5月31日

 『GUILD01』は、ゲームクリエイターからお笑い芸人まで様々なクリエイターが参加するオムニバス作品として、レベルファイブから2012年に発売されたタイトルです。『GUILD01』には4タイトル収録されており、『NO MORE HEROES』の須田剛一氏が手がけた『解放少女』は彼の得意とするぶっ飛んだセンスを手軽に楽しめる3Dシューティングゲームとして高い完成度を誇っています。『ファイナルファンタジータクティクス』の松野泰己氏による『CRIMSONSHROUD』は、テーブルトークRPGをモチーフに重厚なテキストとダイスによって物語が分岐していく非常に硬派な作品です。レベルの概念がなく高い戦略性を求められるゲームデザインは、コアなゲーマーも満足できると思います。

 その他にもお笑い芸人アメリカザリガニの平井善之よしゆき氏による『レンタル武器屋 de オマッセ』や『The Tower』の斎藤由多加氏による『AERO PORTER』など、手軽ながらも中毒性の高い作品が収録されており、様々なジャンルの作品を楽しめるお得な一作に仕上がっています。その後も『GUILD SERIES』として02まで発売されましたが、『GUILD02』はダウンロード専用販売になったり、ここまで紹介した『GUILD01』タイトルも単品販売されるなど、レベルファイブらしい尻すぼみな展開となりました。とはいえ、『GUILD SERIES』の各タイトルはクリエイターのアイディアが詰まった作品ばかりですので好きなクリエイターが参加している作品があれば、ぜひ一度手にとってみてください。ちなみに、『GUILD01』はパッケージが意図がわからない怖いデザインなので、その意味でも一度手に取ってみることをお勧めします。個人的には『GUILD02』の『怪獣が出る金曜日』が割と気に入っています。

名探偵ピカチュウ (任天堂/2018年3月23日

 最後は『名探偵ピカチュウ』。と聞くと、あの大ヒットした映画を思い浮かべる方も少なくないと思います。実際、検索でも1番上に来るのは映画の方だったりします。今作は「ゲーム原作の映画はヒットしない」と言われるジンクスを覆した映画の原作タイトルです。と言っても、ゲーム版を遊んでいる人が相当に少ないと言うオチもありますが。

 今作は、元々3DSのダウンロード専用ソフトとして物語の前半が収録された『名探偵ピカチュウ 〜新コンビ誕生〜』が2016年に配信され、その後2018年に完全版となる今作が発売されました。ゲームは主人公のティム・グッドマンと、渋い声とどこかおじさんっぽいのが印象的なピカチュウと共に、ライムシティで巻き起こる難事件を解決していきます。映画と比べるとそこまで派手さはありませんが、硬派でプレイヤーを選びがちな、ミステリーゲームをピカチュウというポップなアイコンを用いることで、誰でも楽しく謎を解いていく事ができます。

 美麗なグラフィックやコミカルな演出など、非常に高い品質を誇る一方で、クリフハンガー的に収束していく物語には多少の批判も集まりました。とはいえ、2019年に行われた「ポケモン事業戦略発表会2019」で完結編がNintendo Switchで発売されることが発表されておりますので、是非とも完結編が発売前する前にプレイしてみてはいかがでしょうか。

 意外と知らなかった作品、知ってはいたけれど評判を聞いてプレイしていなかった作品、色々あると思います。先にも述べましたが2017年以降のタイトルはSwitchの登場もあり、少々隠れてしまっている印象がありますが、ハードの転換期に発売されるタイトルの多くはそのハードの性能をフルで活かしたものが多く、プレイしないのはもったいないと思える作品ばかりですので、ぜひチェックしてみてください。また、すでに配信が終了しているため、今回の選出では控えましたが、任天堂発売の3DSダウンロード専用ソフト『いきものづくり クリエイトーイ』がめちゃくちゃ大好きだったので、Switchで新作の発売を心からお待ちしております。正直、移植でも全然いいです。お願いします。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次